年齢を重ねるほど健康な歯の数は少なくなります。80歳以上の日本人の平均残存数は8本であり、80歳以上の高齢者は2人に1人が総入れ歯を使っているという調査報告もあります。現在の日本は「歯医者=削って治す」というイメージが定着しきっていますが、本来歯科医師の使命は「削らずに済む歯科治療」を実現させることだと確信しております。日本人のお口には、治療した虫歯が再発し、周囲の歯に感染するという「負の連鎖」が起きています。ご自身の歯をできるだけ長く健康な状態に保つためには、定期検診をきちんと受けて虫歯や歯周病を予防することが大切です。そして虫歯などの病気にかかってしまった場合も早期発見・早期治療を心がけましょう。
「大人の歯(永久歯)が生えるから、子どものうちは虫歯になっても大丈夫」などと思っている人は減ってきているとは思いますが、お子様の歯が永久歯に生え変わるまでの時期は、実はとても大事な時期です。
お子様が虫歯や歯周病になるのはどうしてか?
・甘いものを食べすぎたから?・歯磨きをしなかったから?
こんな風に考えている方は多いのではないでしょうか…でも、実はこれらは大元の原因ではありません。
本当の原因は、「お口の中の細菌が悪さをするから」なのです!
基本的にお口の健康を守るには、お口の中にいる細菌の数をコントロールして、悪い影響を及ぼす細菌をなるべく減らしていく必要があります。そのためには食育や・歯磨きが大切で、ご家庭ではやれる事に限界があるので、歯科医院へ通院し、お口の中の環境を健康に保つ必要があります。特に子どもの歯(乳歯)は、歯のエナメル質が薄くむし歯菌の影響を受けやすいため注意が必要です。そして、乳歯の時期にむし歯を放置すると大人の歯(永久歯)が生えてきても、お口の中の細菌の状況が変わっていないのでそのままお口の中の健康状態は悪化していきます。ふみこデンタルクリニックで行う小児歯科治療は、主に下記のような事を行います。
・全体的なお口の中の健康状態のチェック(歯と歯茎など)
・虫歯リスクチェック
・レントゲンや口腔内写真の撮影
・歯磨き指導
・食育など、保護者の方へのアドバイス
・クリーニング(PMTC)やフッ素塗布などのメンテンナンス
もちろん、一回通ったら終わりではなく、定期的に通院をしていただく事が望ましいです。症状により変動しますが、1か月~3ヶ月おきに通院する事をお勧めしています。
妊婦さんには歯科検診をお勧めします。
それはどんな理由でしょうか?
それは、妊娠をきっかけに口腔内の環境が急に悪くなることがあるからです。妊娠すると、つわりなどの体調の変化が起こります。食事の後、就寝前の歯磨きができなくなったり、食事を摂る回数や間食が増えてしまうことも重なり、虫歯のリスクが高まります。
加えて、妊娠中は唾液の量が減り、ホルモンバランスも変化することで、歯肉炎になったり、歯周病の症状が悪化していくことも多いのです。この様な理由により妊婦さんには特に歯科検診を受けていただくことをお勧めしているのです。
では、妊婦さんはいつ歯科検診を受けるのがよいのでしょうか。
妊娠初期のつわりが治まり安定期に入った時期から、妊娠後期に入るまでが良いとされています。もちろん、必要な処置がある場合、無理に我慢されることは負担になりますので、妊娠されていることを歯科医院で相談の上、必要に応じて治療を進められることが望ましいと言えます。
レントゲン撮影や麻酔の影響も心配される方が多いと思いますが、歯科で使用されるデジタルレントゲンや局所麻酔は、それぞれごくわずかな最低限の使用で、影響についても心配ないことがわかっております。妊娠中であることや、お身体の状態をしっかり相談されれば問題ありません。
妊娠中は体調の変化も多く、なかなか歯科医院に行くことができない妊婦さんも多いと思います。ただ、出産の間際に症状が悪化したり、産後はますます外出が難しくなりますので、できるだけその前に受診されることをお勧めします。
また、妊娠中に歯周病を悪化させると、低体重児の出産の原因になったり早産の可能性が7倍以上になると言われています。
まずはご自分のお口の中の状態をしっかり把握し、気になる症状は早めに治されることが大切です。お子さんの将来のお口の健康を守るためにも、ぜひ予防や治療に取り組んでいきましょう!